イタリア半島のいわゆる「長靴のつま先」に浮かぶシチリア島。
地中海最大の面積を誇る島には豊かな自然と壮大な景観、
長い歴史を伝える多くの古代遺跡が残され、
7つの世界遺産が存在する。
(世界遺産:アグリジェント神殿の谷 紀元前6~5世紀ギリシャ時代に建造された神殿群)
(自然遺産:エトナ山 シチリア北西部海岸線に位置するヨーロッパ最大の活火山)
実はイタリア国土の12分の1をも占める巨大な島シチリア。
島内に多数の遺跡が存在する事が示すように、
古代より多くの文明が交錯してきた歴史ある場所だ。
紀元前からギリシャとの関わりが深く、
その後は南部イタリア同様、アラブ、ノルマン人の支配下となった。
12世紀頃から州都パレルモを中心として、
シチリア王国として発展、後にスペイン領となり圧制を受ける事に。
更に、約300年の時を経て、フランスの統治下に置かれ、
1860年にイタリア王国軍が上陸し、ようやくイタリア領となった。
このような歴史から、シチリアは「文明の十字路」と呼ばれ、
あらゆる民族の影響を受けた独自の文化が形成された。
また、イタリア本土とは異なる温暖な気候、自然環境を持ち、
イタリア随一の観光地として発展した。
地中海の恵みと四季折々の産物があるシチリアは、
「食の島」と呼ばれるほど食文化が充実。
島の人々が世界で一番おいしいと口を揃える
シチリア料理も、旅の大きな魅力となっている。
また、シチリア島といえばマフィア発祥の地として名高い。
あの有名なコッポラ監督映画「ゴッドファーザー」も
シチリア島からアメリカへ渡ったマフィアの世界を描いた作品だった。
シチリア島を観光するのは危険では?
という方もいらっしゃる事でしょう。
でも、ご安心を。
(映画「ゴッドファーザー」のワンシーン:ロケ地 コルレオーネ村)
そもそもマフィアは、中央政府に対して、
地方の貧民達の権益を守るための生活共同体の事で、
素人や、ましてや海外旅行客に手出しをする事は全くない。
どうやら、前述したアメリカ映画「ゴッドファーザー」が
悪影響を及ぼしており、 マフィア=怖い というイメージを
定着させたようなのだ。
ただし、アメリカに渡ったイタリア系移民が怖い存在へ変質したのも事実。
彼らも同じ言葉「マフィア」と呼ばれ、本当の「マフィア」という意味も
同時に変質してしまったのだろう。
(実際のコルレオーネ村)
映画「ゴッドファーザー」のファンであれば、
舞台となったコルレオーネ村を訪れ、
主人公マイケル(アル・パチーノ)の
気分を味わう事も安全に出来るのです。